なぜタリバンはその絵の前で復権を誇ったのか 前大使らが読み解く

写真・図版
アフガニスタンの首都カブールで2021年8月15日、大統領府を掌握したタリバンの兵士たち=AP。後ろの壁に掲げられた絵には18世紀に即位したアフマド・シャー・ドゥッラーニーの戴冠(たいかん)式が描かれている
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 アフガニスタンの首都カブールが陥落して15日で2カ月。あの日、大統領府を占拠したイスラム主義勢力タリバンの戦闘員らが、ある絵画の前で銃を構えて並ぶ姿が写真に収められ、世界中に配信された。あの絵が背景にあったのはなぜだったのか。西本秀

 「ああ、もう終わりだ」

 今も東京都内に暮らす前駐日アフガニスタン大使のバシール・モハバットさん(64)は、カブールから8月15日に送られてきたある報道写真を目にして、当時のガニ大統領が率いていた政府の崩壊を実感した。

 写真は、銃を構えたタリバンの戦闘員らが、大統領府の一室の重厚な執務机に陣取り、壁に掲げられた大きな絵の前で、政権奪還を誇る姿を伝えていた。

 「あの部屋は大統領執務室のひとつ。そして、あの絵は、アフガニスタン人ならだれもが知る歴史的場面を描いたものです」。今年1月に大使の任期を終えたモハバットさんは退任前の昨年末、大統領府に出向いてガニ氏と面会していた。

 絵の中央に2人の男性が描かれている。右の男性は上半身をかがめ、頭を左の男性に差し出している。左の男性は右の男性の頭の上に何かを授けようとし、その様子を大勢の人々が見守る。何かの儀式のようだ。

 モハバットさんや研究者によ…

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