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韓国監督作品の上映中止迫った疑い 2人書類送検へ「反日映画だと」

林知聡、土居恭子、小寺陽一郎
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 映画館に押しかけ上映中止を迫ったとして、神奈川県警は近く、いずれも県内に住む右翼団体関係者の40代の男2人を強要未遂容疑で書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。県警の任意の調べに、2人とも映画は見ておらず、1人は「反日映画だと思った」と話したという。

 上映されていたのは、韓国のキム・ミレ監督によるドキュメンタリー映画「狼(おおかみ)をさがして」。1974年の三菱重工ビル爆破事件など、連続企業爆破事件を起こした「東アジア反日武装戦線」の思想や事件の背景に迫る内容だ。

 捜査関係者によると、2人は共謀し5月7日午後、映画館「横浜シネマリン」(横浜市中区)の入り口付近で、配給会社代表の男性に「上映をやめないと街宣車を呼ぶ」などと脅して同作品の上映をやめさせようとしたり、映画館の責任者との面会を求めたりした疑いがある。

 横浜シネマリンはその3日後、「言論の自由を妨げるだけでなく、来場者、劇場スタッフに身の危険を感じさせる行為であり、到底許されるものではない」などの声明を発表していた。

 配給会社によると、今年3月から各地で上映が始まったが、事件の影響などで上映を取りやめる映画館も出た。一方、横浜シネマリンを含め多くの映画館は上映を続け、全国27カ所で約6千人を動員した。(林知聡、土居恭子、小寺陽一郎)