「適材適所で期待」 「総選挙前の看板掛け替え」 内閣発足で県内は

自民立憲

伊藤秀樹、堀越理菜、村上伸一、長妻昭明
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 岸田政権が4日発足し、熊本4区の金子恭之衆院議員が初入閣を果たした。知事やゆかりの首長らから喜びの声が上がり、与党・自民党は期待を寄せる。一方、衆院は近く解散され、月内には総選挙になる見通しだ。野党は政権への対決姿勢を強めている。(伊藤秀樹、堀越理菜、村上伸一、長妻昭明)

知事・熊本市

 熊本県蒲島郁夫知事は新内閣発足に関して記者団に、「新型コロナの困難を乗り越え、次の時代の日本をつくる重要な役割がある。感染対策と経済のベストバランスが求められる」と話した。金子恭之氏が総務相として初入閣したことについては「大変うれしい。(昨年7月の)豪雨災害からの復旧を一緒にやっていける。偉大なるお力をお借りしたい」と喜んだ。

 熊本市の大西一史市長は文書でコメントを発表した。岸田文雄氏が熊本地震以来、熊本を度々訪問して被災者の声を直接聞いたことに感謝し、「新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、直面する様々な課題について、今まで以上に地方の声に耳を傾けていただき、さらなるご活躍を期待いたします」。

 金子氏は、大西氏が故・園田博之氏の秘書だった頃の先輩にあたることから、「同じ園田門下生として、この度の初入閣を自分のことのようにうれしく思います」などとコメントした。

八代

 衆院熊本4区の最大都市、八代市にある金子恭之氏の後援会事務所にはこの日、午後2時半ごろから関係者が集まり、テレビ中継に見入った。午後3時45分ごろに組閣名簿が発表されると、金子氏の八代後援会会長を務める中村博生・八代市長ら約40人が拍手をして喜んだ。

 中村市長は取材に、「21年前に金子氏と出会い、ずっと応援して、やっと大臣に就任して大変うれしい。地道にまじめにやってきて、八代市に対してもご配慮をいただいた。今後も総務大臣として活躍を期待したい」と語った。市はデジタル化を進めて市民生活を便利にする「スマートシティー」構想を掲げており、この分野での総務省からの協力に期待を示した。

 自民党県連の松田三郎幹事長は記者会見を開き、新内閣について「各世代のバランスよく、適材適所で非常に期待できる」と述べた。金子氏から3日に大臣内定の電話を受けたと明かし、「地方の課題克服を在任期間中に一つでも多く実現してもらいたいと激励した」と話した。

 衆院選の公示が19日と想定より早まる方向であることについては「バタバタしているところもあると思うが、慌てることなく粛々と進めていきたい。1区から4区まで自民党の現職が4人いるので、全員当選を成し遂げたい」と述べた。

野党

 立憲民主党熊本県連の鎌田聡代表は「新内閣で顔ぶれは変わったが、派閥均衡と総裁選の論功行賞だ。大きな変化は期待できない」と述べた。森友学園をめぐる公文書改ざん問題について再調査をしないのであれば「安倍・菅政治はリセットされない」と指摘し、「政治を変えていくためには政権交代しかない」と強調した。

 共産党県委員会の松岡勝委員長は「総裁選の恩返し人事。総選挙のために看板だけ掛け替えた」と新内閣を批判。「岸田氏は人の話を聞くことが得意と言うが、それならば予算委員会も開いて今の政治に何が問われているのか野党と論争すべきだ。選挙の争点を明らかにせずに選挙へなだれ込む乱暴なやり方は、人の話を聞く気がない国民不在の政治だ」と述べた。

有権者

 熊本県西原村出身の短大生山内望愛さん(19)は、岸田文雄氏が総裁選の時、若い世代から政治と関係のない質問をされても答えていたのが印象に残ったという。「若い人はコロナ禍で学校がオンライン授業になったり、行事がなくなり思い出がつくれなかったりと我慢している。そんな若い人の声をこれからも聞いてほしい」と話した。新内閣について「知っている人は数人しかいないけど、誰がなるかより何をやるかが大事だと思います」。

 新型コロナ対策を求める声が相次いだ。熊本市の20代会社員男性は、衆院選があってもコロナ対策が先決と話し、「医療機関の状況と経済のバランスに主眼をおいた政策をしてほしい」。一方で新内閣について、「すぐ衆院選があるので特に期待はない。総裁選で野党側への注目が下がっているときに選挙をやるのかなと、冷めた見方をしている」と話す。

 同市の無職亀井由美子さん(60)は「誰が首相になっても、これまで生活も潤わなかったし、拉致問題もずっと解決しないので、期待はしていない。コロナ対策が心配です」。同市の無職男性(86)は「後ろに安倍(晋三)さんの存在が見える。新内閣は代わり映えのない顔ぶれで残念だった。コロナのワクチンの確保をきちんとやってほしい」と話した。