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福岡伸一が逃れたい唐辛子の痛み 哲学的謎、300年後にノーベル賞

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 今年のノーベル医学生理学賞は「温度・触覚の受容体の発見」に決まった。熱さや痛み、圧力を感じる「センサー」の発見は、生物学に大きな前進をもたらした。生きものが命をつなぐうえで欠かせない感覚の奥深さについて、分子生物学者青山学院大学教授の福岡伸一さんに解説してもらった。

ふくおか・しんいち

青山学院大教授、米ロックフェラー大客員研究者。専門は分子生物学。1959年生まれ。京都大農学部卒。京都大助教授などを経て現職。著書に「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」など。

 私は今から40年前に、京都大学農学部の栄養化学研究室に入りました。そこで私の恩師、岩井和夫教授が研究していたのが唐辛子でした。唐辛子の辛味成分のカプサイシンが、どのような経路で合成され、なぜ辛いのかというのがテーマでした。カプサイシンを食べると、体脂肪を燃やす作用があります。辛みを抑えたカプサイシンのような物質ができれば、「やせ薬」として利用できます。

 研究チームが実験すると、カ…

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