戸籍を「男性」に変更、手術なしで認めて 家裁支部に審判申し立て

須田世紀、阿久沢悦子
[PR]

 静岡県浜松市のトランスジェンダー鈴木げんさん(46)が4日、生殖腺を取る外科手術なしに戸籍上の性別を変更したいとして、静岡家裁浜松支部に審判を申し立てた。性同一性障害特例法では、戸籍の性別変更にあたり「生殖腺がないこと」などが要件になっている。手術なしでの性別変更が認められれば、初めてのケースとなる。

 申立人の鈴木さんは女性の体で生まれたが、「幼いころから(自分が)女の子と思ったことはない」と話す。40歳で性同一性障害と診断され、男性ホルモン注射や乳腺の摘出で、外見は「男性」になった。しかし、戸籍上は女性のままで、パートナーの女性との婚姻届は出せないのが現状だ。

 同様の申し立てをめぐり、2019年1月、最高裁は性別変更を却下した岡山家裁の判断を「合憲」とした。一方、決定理由では「(生殖腺除去手術は)意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約する面がある」と認めた。また「配慮の必要性は、社会的状況の変化等に応じて変わり得る」とした。

 申し立て後の会見に同席した弁護士は「生殖腺を除去する手術を事実上強制している」とし、人権を侵害し、憲法に違反していると指摘。性的マイノリティーをめぐる社会的状況の変化や当事者の声を、資料として裁判所に提出する構えだ。

 鈴木さんは「ひげも生え、筋肉質になった今の自分の体に満足している」と話し、「誰もが多様な性を生きる一人。トランスジェンダー当事者以外の人も一緒に考えてほしい」と訴えている。(須田世紀、阿久沢悦子)

Think Gender

Think Gender

男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]