聖徳太子、寺宝から迫る人物像 大阪市立美術館

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編集委員・中村俊介
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 聖徳太子が没して1400年。信仰にあつい希代の政治家は、いかにして伝説的な存在になったか。大阪市立美術館で開催中の特別展「聖徳太子 日出づる処の天子」(10月24日まで)は、謎に包まれたその生涯や事跡、後世への影響を今に伝わる名宝であぶり出す。

 用明天皇の皇子として生まれた聖徳太子は推古天皇の摂政となり、遣隋使の派遣や十七条憲法の制定など国家体制の整備に尽くした。一方で、当時外来の教えだった仏教の熱心な信奉者でも知られ、今日に法灯を継ぐ太子ゆかりの古刹(こさつ)には多くの寺宝が伝わる。本展共催の四天王寺大阪市天王寺区)もそのひとつで、国宝や重要文化財を含む約200件を5章仕立てで紹介する。

 国宝「扇面法華経冊子」は名宝の誉れ高い四天王寺の逸品だ。ちりばめられた金銀砂子がきらめき、彩色のあでやかなこと。太子の御廟(ごびょう)前に建つ叡福寺(太子町)の「馬上太子像」や、戦いの合間に休息をとった地と伝わる野中寺(羽曳野市)の弥勒菩薩半跏像(みろくぼさつはんかぞう)など、地元大阪にまつわる品々も見逃せない。

 大勢の話を同時に聞き分け…

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