「ごついおばはん」と呼ばれても 最古の園舎守り抜いた
机美鈴
「まだまだ勝手に関西遺産」
お寺か、はたまた武家屋敷か。大阪・淀屋橋のビジネス街で通行人が足を止める木造建築の正体は、大阪市立愛珠(あいしゅ)幼稚園。築120年、国内最古の現役の幼稚園舎には、71人の園児が通う。現在は国の重要文化財だが、戦時中は取り壊しの危機に。守り抜こうと踏ん張ったのは、一人の「ごついおばはん」だった。
記者が訪ねた日、園児らは広々とした園庭で綿花を摘み、サルビアの花びらを集めていた。「バッタ見つけた!」の声が上がり、にぎやかに追いかけっこ。庭の池にはメダカやカエルがすみ着く。立地からは想像もつかないのどかな光景が広がる。
同園は1880年に開園。当…