岸田政権で脱炭素どうなるか 再エネ・原発政策…交差する期待と懸念

有料会員記事岸田政権

川田俊男、長崎潤一郎
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 岸田内閣が4日に発足し、気候変動対策を担う環境相には山口壮(つよし)氏、エネルギー政策を所管する経済産業相には萩生田光一氏が就いた。この1年で脱炭素へと大きくかじを切った菅政権の方針は、新政権でも維持されるのか。

 菅義偉前首相は昨年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言。今月末から英国で始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて、4月には30年度の排出量を46%削減(13年度比)する新たな目標を打ち出し、従来の26%から大幅に引き上げた。「再生可能エネルギー最優先」の原則も政府の計画に盛り込むなど、政治主導で転換した。

 山口氏は5日の会見で、「50年実質ゼロ」や「再エネ最優先」などについては「大事なことは継続。路線は踏襲する」と明言。そのうえで「産業界の声も聞いていきたい」と配慮も見せた。大きな方針は今年成立した改正地球温暖化対策推進法や、月内に閣議決定するエネルギー基本計画案に明記されている。環境省幹部は「国際的な脱炭素の流れもあり、後退はありえない」と話す。

 萩生田氏も5日、報道各社のインタビューで「再エネ最優先の原則で取り組み、最大限の導入を促したい。現時点で原発の新増設・リプレース(建て替え)は想定していない」と述べ、脱炭素の柱となるエネルギー政策について従来の方針を踏襲する考えを示した。「安定かつ安価な電力供給気候変動問題への対応などを考えれば、原子力は欠かすことができない」とも語った。

政府与党の要に原発推進派ずらり

 ただ、菅政権がとりまとめたエネルギー基本計画案には、自民党内の原発推進派や電力業界が求めていた原発の新増設やリプレースが明記されなかった。「可能な限り原発依存度を低減する」という計画案の表現にも、党内の推進派の不満が根強い。

 原発に慎重で再エネ導入を牽引(けんいん)してきた前環境相の小泉進次郎氏や、前規制改革担当相の河野太郎氏らが閣内から去り、政府自民党の要職を原発推進派が占めるようになったことで、原発回帰に転じるとの見方が出ている。小泉氏も会見で「(揺り戻しは)それなりにあるでしょうね」と認める。

 萩生田氏は、原発の建て替え…

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