首相の「所得倍増」、萩生田経産相「令和には非現実的な部分も…」

岸田政権

古賀大己、平林大輔
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 岸田文雄首相が自民党総裁選で掲げた「令和版所得倍増計画」について、5日に就任会見に臨んだ経済閣僚から発言が相次いだ。文字どおりの所得倍増は難しいためか、首相自身は就任会見で言及しなかったが、会見で真意を問われた関係閣僚は、それぞれの表現で所得の引き上げに取り組む姿勢を強調した。

 所得倍増計画は、首相の出身派閥、宏池会岸田派)の創設者で元首相の池田勇人氏が1960年代に掲げたもの。高度経済成長の波に乗り、幅広い層で所得が増えた当時になぞらえ、岸田氏も自らの経済政策のスローガンに掲げた。

 萩生田光一経済産業相は5日の会見で、「指示された中に所得倍増計画というワードはなかった」と明らかにした上で、「なかなか令和の時代に所得を倍増するのは非現実的な部分もあると思う」と指摘。「(宏池会が)戦後復興を成し遂げた大きな象徴として、ある意味キャッチフレーズとして使ったんだと思う」と、首相の真意を解説しつつ、「皆さんの所得、企業の利益、分配を増やしていくことに腐心していく」と語った。

 所得倍増と並び、首相が掲げた分配重視の「新しい資本主義」を担当する山際大志郎経済再生相は「『令和版所得倍増計画』は、『新しい資本主義』と密接不可分なものだ。いかに格差を埋めて、中間層の所得を拡大していくのかを広範に検討しなくてはいけない」と語った。

 新しい資本主義は、中間層への分配を手厚くして消費を盛り上げ、次の成長につなげる好循環をめざすものとされる。具体策を検討する「新しい資本主義実現会議」について、山際氏は「可及的速やかに立ち上げに動く」としたが、設置時期や議題などは「総理と詰めたい」と述べるにとどめた。(古賀大己、平林大輔)