ノーベル物理学賞は日本のお家芸 ニュートリノや身近なLED発明

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 21世紀に入ってから昨年までのノーベル賞自然科学分野での日本からの受賞者は18人(米国籍2人を含む)で、米国に続く世界2位だ。中でも物理学が最多の8人を占める。

 このうち5人が、宇宙の物質を形作る「素粒子」の研究で受賞した。まず、2002年に東京大特別栄誉教授小柴昌俊さんが、超新星爆発で出た素粒子ニュートリノを、岐阜県にある観測施設カミオカンデで1987年に初めて観測して受賞した。ニュートリノ天文学という新分野を開拓した。物理学賞の日本人受賞は江崎玲於奈さん以来29年ぶりだった。

 その後、ニュートリノ研究は日本の「お家芸」になった。小柴さんの門下生だった東大宇宙線研究所長の梶田隆章さんが、後継のスーパーカミオカンデを使った実験で98年、質量ゼロとされていたニュートリノに質量があることを確かめて2015年に受賞した。

 こうした実験に加え、物理学賞では理論でも受賞者が多い。日本人で初めてノーベル賞を受けた湯川秀樹博士(49年)、朝永振一郎博士(65年)のほか、「質量の起源」を解き明かすアイデアを提唱した南部陽一郎さん、素粒子クォークが6種類以上あると予想した小林誠さん、益川敏英さんも物質を形作る理論を提唱した。いずれも発表は60~70年代で、実験で理論が正しいことが証明され、08年に受賞した。

 暮らしを変えた業績でも受賞者が出ている。明るく省エネルギーな照明を実現した青色発光ダイオード(LED)の発明で赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの3人が14年に受賞した。青色LEDは今や照明だけでなく、信号機や大型ディスプレーなどに使われている。