動物園の猛獣舎建て替えへ寄付募る 日立市、ネットで

藤田大道
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 【茨城】日立市かみね動物園の猛獣舎を建て替える費用を、同市がインターネット上で募っている。クラウドファンディング(CF)を活用し、6千万円の目標額を設定した。新型コロナウイルス禍で減収となる園が多いなか、同様の試みは各地で広がっている。

 9月10日から寄付を受け付け始めた。猛獣舎は1969年に造られ、老朽化しているため、建て替えを計画。新しい猛獣舎には岩や木もあり、野生に近い環境を再現する。ガラス張りにして、ライオンやトラを間近に観察できるようにするという。総事業費は10億5千万円で、このうち6千万円をCFで賄う計画だ。

 すでに5日現在で、目標の約8割にあたる約4800万円が集まった。CFの期間は最長3カ月だが、目標額に届けば、早く締め切ることもあるという。市外在住の人が寄付をした場合は、ふるさと納税と同じ常陸牛などの返礼品を受け取ることもできる。

 同市がCFを使うのは、これが2回目。再度の実施に踏み切った背景には、1回目の「大成功」がある。1回目は6月、平和通りの桜の植え替えのために実施した。古くなった桜を9本植え替える予定で、事業費は2千万円。このうち400万円を目標額にして寄付を募ったところ、半月で2554万円が集まった。

 近場だけでなく、北海道や東京の人からも寄付があったという。かつて転勤で日立市に住んでいた人からは「懐かしくなった。ぜひ桜を残して欲しい」というメッセージが届いた。

 財政課長の助川秀樹さんは「想像以上の応援にびっくりしつつ、事業をしっかり進めなければと、身が引き締まる思いだった」と振り返る。

 コロナ禍で、かみね動物園も昨年度は計2カ月半休園した。入園者数は例年より11万人ほど少ない約24万人で、入園料収入は約3千万円減の約6千万円だった。

 担当者は「ぜひCFにご協力頂き、目標額を達成したい」と意気込んでいる。寄付はCFのサイト(https://fcf.furunavi.jp/Project/Detail?projectid=168別ウインドウで開きます)へ。このほか、市民税課でも受け付けている。(藤田大道)

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 コロナ禍で動物園や水族館は臨時休園を余儀なくされ、経営が苦しい園も少なくない。そんな中、施設の整備費や維持費をまかなおうと、CFを活用する動きは各地で広がっている。

 那須どうぶつ王国(栃木県那須町)では、昨年9月にCFを使い、国の特別天然記念物・ライチョウを受け入れる施設の整備費2500万円などを集めた。神戸どうぶつ王国(神戸市)や新江ノ島水族館神奈川県藤沢市)でも昨年、CFを実施した。

 全国140の動物園や水族館が加盟する日本動物園水族館協会によると、CFは民間の園を中心に各地で広く使われているという。公立の園でも、ふるさと納税の形で寄付を受け付ける取り組みが広がっているという。