米国人が撮った「吉野林業」 17日初上映

福田純也
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 造林の歴史としては日本最古とされる奈良県の「吉野林業」に迫るドキュメンタリー映画が完成した。現場の周辺地域で暮らすアメリカ人ジャーナリストのデイビッド・カパララさん(32)が2年かけて制作した。10月17日には川上村で初上映され、オンライン上映もある。

 吉野林業は、主に川上、黒滝、東吉野の3村で構成される地域で営々と受け継がれてきた。

 映画(約20分)では、その発祥地とされる川上村の山行き(森林作業員)、山守(森林管理者)、樽丸(たるまる)材の加工職人の3人の仕事ぶりに焦点を当てる。森と共生しながら継承されてきた造林だが、産業としては先細っている。担い手も減っていく中で、林業で働く思いにも触れる。

 ドローンを使った空撮映像、林業技師で「吉野熊野国立公園の父」といわれた岸田日出男が所蔵していた約100年前の動画映像も登場する。

 カパララさんは米・バージニア州出身。バージニア大で宗教学などを学んだ。仏教に関心があり、2012年に来日した。川上村で2年間、外国語指導助手を務めた後、ジャーナリストに転身し、欧州やニューヨークなどで活動している。19年に再び来日し、川上村の地域おこし協力隊の一員として活動している。

 完成した映画について「吉野の森林は心がピュアになる別世界。500年もの間、バトンを渡し続けてきた不屈の精神、人と自然のつながり、その大切さが分かるよう伝われば、うれしい」と話している。

 国内外の国際映画祭への出品を予定。海外向けの英語版タイトルは「YOSHINO RINGYO The Lumberjacks(きこり) of Japan」。

 上映会は午前10~11時、同村迫の「やまぶきホール」。上映後にカパララさんと松田度(わたる)さん(大淀町教育委員会学芸員)が吉野林業を語り合う。定員150人。入場料1千円。上映会は村民か村在勤者に限定されるが、それ以外は1500円で当日のオンライン(yoshinoringyofilm.peatix.com)の参加が可能。(福田純也)