真鍋淑郎さん「80年代の研究が現実に」 地球温暖化の危機感語る

藤原学思
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 ノーベル物理学賞を受けることが決まった米国プリンストン大上級研究員の真鍋淑郎さん(90)は5日、朝日新聞の取材に対し、「好奇心を持って研究してきた。こういう問題が重要になるとは、夢にも思っていなかった。感無量だ」と話した。

 ニュージャージー州の自宅で応対した真鍋さんは、気候変動に対して、我々が何をすべきかとの質問には、「自分が研究してきたことよりも、もっともっと難しい問題だ。ありとあらゆることにつながっている」と答えた。「二酸化炭素を削減すると言っても、一国だけがやっても意味がない」と各国で連携する必要性を訴えた。

 真鍋さんは、地球の気候をコンピューターで再現する方法を開発し、気候変動(温暖化)予測についての研究分野を世界に先駆けて切り開いた。1960年代に地球の大気のふるまいをコンピューターで再現する方法を開発。大気中の二酸化炭素(CO2)が増えると地表の温度が上がることを数値で示した。藤原学思

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 真鍋さんは受賞が決まる前の今月1日、朝日新聞の取材に「最近は干ばつや洪水が増えている。これは1980年代に私たちの(計算)モデルで示したことと同じことで、今になって思うと、モデルが現実になりつつあるということだ。当時はモデルの結果について、疑問に思っている人もいた。今はそれが疑いのないことだと分かるようになった」と話していた。

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 まなべ・しゅくろう 1931年、愛媛県生まれ。58年に東大大学院を修了して博士号を取得。同年に米国気象局(当時)研究員。97年に日本の海洋科学技術センター(当時)領域長。2005年からプリンストン大上級研究員。1996年に朝日賞、2018年にクラフォード賞。