犯人はタカハシが好き?防犯メール3万件分析で見えた詐欺電話の傾向

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2021年に特殊詐欺の電話で多く使われた単語のワードクラウド。回数が多いほど文字が大きく表示される
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 言葉巧みに高齢者らをだまして金品を奪う「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」といった特殊詐欺の被害が、いまだに後を絶たない。犯罪グループはどのような手口でだますのか。この4年間に警視庁が配信した約3万件の防犯メールの内容を独自に分析すると、実行犯が使う「決まり文句」やその傾向が浮かび上がってきた。あなたにかかってきたその電話、詐欺ではありませんか?

犯人がよく使う「犯人」

 警察庁によると、2020年の認知件数は全国で1万3550件、被害総額285億円に上る。最も被害件数が多いのが東京だ。

 今回分析したのは、警視庁が2018年2月~21年7月に配信した約3万件にのぼる「メールけいしちょう」の配信情報。管内の各警察署が、登録した住民に地域の犯罪発生情報や不審者情報、防犯情報などをメールで知らせる仕組みで、配信内容はオープンデータとして警視庁が公開している。

 ここから、特殊詐欺の主な手口として知られる「オレオレ詐欺」と「還付金詐欺」、キャッシュカードをだまし取る「カード預かり詐欺」に関するメールを抽出。詐欺の犯行電話や、犯行前に資産状況などを探る「アポ電」の内容をコンピューターによる自然言語処理技術を使って解析し、実行犯が使った頻出単語を集めた。その結果、近年急上昇している頻出ワードがあることがわかった。

 それぞれの詐欺被害を知らせるメールで、この4年間に登場する頻度が最も増えたのは、「カード預かり詐欺」で使われる「犯人」という単語。18年には配信されたメール709件の17%にあたる122回だったが、21年には704件の54%、379回と大幅に増えた。「犯人が持っていた名簿にあなたの名前が載っていた」「赤坂警察署の防犯課ですが、犯人を捕まえて調べたところ、あなたの名前とキャッシュカードの情報を持っていました」などと電話口で語り、不安をあおる演出で使われるケースが目立っていた。

なぜか緑色の封筒

 ほかにも、カード預かり詐欺では「キャッシュカード」(17→42%)、オレオレ詐欺では「お金」(13→40%)、還付金詐欺では「封筒」(6→23%)、「緑色」(2→14%)という単語も増えていた。これらは「口座からお金が引き出される恐れがある。口座を変更しますのでキャッシュカードを用意して、暗証番号を教えてください」「緑色の封筒を送りました。医療費が還付されますが、手続きの期限が過ぎているので連絡しました。ATMで手続きできます」などという語り口で使われていた。

 なぜ、犯行グループが使う決まり文句にこうした一定の変化や傾向がみられるのか。警視庁犯罪抑止対策本部の担当者は「犯行グループの電話役には、台本が手渡されているから」と説明する。

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特殊詐欺の犯行電話の内容などを紹介する「メールけいしちょう」の文章のうち、この4年間で登場する頻度が上がった上位5単語

 手口はある程度決まっているものの、「売り上げ」を伸ばすために犯人たちは犯行を重ねながらよりだましやすい文言に日々アレンジしていくと考えられている。分析の結果を受けて担当者は「警察をかたって『犯人を捕まえた』と不安をあおる手口は確かに多い。そして、役所から届く封筒の色はなぜか決まって『緑色』ですね」と苦笑いする。

クリックすると、その年に特有なだまし文句の実例や回数が現れる「ツリーマップ」を記事後段でご紹介しています。

 警察や金融機関などによる取…

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