築地場外市場、移転・コロナ禍で客減少 逆境下で見いだした活路は

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長野佑介
【動画】築地市場が営業を終えて6日で3年。この間の様子をタイムラプスで
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 東京・築地市場が営業を終えて6日で3年がたった。隣接する「場外市場」はいまも約460店舗が営業している。しかし新型コロナウイルス禍で人通りが激減し、売り上げ減にあえぐ店も。一方で、「変化を好機に」と活路を見いだそうとする動きもある。(長野佑介)

 「市場の移転にコロナ禍。ダブルパンチです」

 築地場外市場にある老舗海鮮店「つきじかんの」の菅野美穂さん(58)は人がまばらな通りを見つめながら、こう振り返った。

 場外市場には飲食店や鮮魚、食器類、刃物などの店が軒を連ねている。ただ、店主らによると、市場の移転以降、昔ながらの海産物販売店などの閉店も相次いだという。

 菅野さんもコロナ禍の中、弁当や揚げ物などのテイクアウトに力を入れる。だが、売り上げは移転前の2018年と比べ1割ほど。行政の時短営業の協力金や家賃補助などがなければ店を閉じていたかもしれないという。「感染状況は改善しているけれど、出口がまだ見えない。いつまで持ちこたえられるか」

 築地場外にある卵焼きの「丸武」の男性店員も「通りに活気がないのが何より悲しい。外国人や地方からの観光客でにぎわっていた頃が懐かしい」という。店の売り上げは移転前と比べると、19年は4割減、コロナ禍の20年以降は8割減だ。「移転の後に売り上げが落ちてやばいと思ったら、コロナでもっと大変なことになった。今も店が続いているのが不思議なくらいだよ」

 こうした中、コロナ禍で生じた客層の変化に光明を見いだす声もある。

 海産物販売店「マルタ食品」…

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