生態系「保護区」どう広げる 国立公園の面積増加は20年で4%だけ

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小坪遊
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 11日から始まる国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)では、2010年に名古屋市で開かれたCOP10で採択された愛知目標に代わる、新たな国際目標が議論される。焦点の一つが生態系を守る地域の大幅な積み上げだ。ただ、日本の場合、国立公園などの自然公園を拡大する余地は少ない。いかに場所を確保し、質を高めていくかが課題になる。

 「この枠組みは、各国や社会が今すぐ変革に向けて行動するよう促すことを目指している。自然のため、そして私たちのために」。条約事務局のエリザベス・マルマ・ムレマ事務局長は7月、新たな国際目標の草案公表にあたり、こう呼びかけた。

 21項目からなる草案の目玉の一つが「30by30(サーティバイサーティ)」。世界の陸域、海域について、30年までに面積の30%以上を保全する目標だ。愛知目標では、20年までにそれぞれ17%、10%を掲げ、世界全体で達成。日本も小笠原諸島の沖合に海洋保護区を設けるなどし、陸の20・5%、海の13・3%をカバーした。

 日本の陸の「主役」ともいえるのが、国立公園や国定公園、都道府県の自然公園だ。国土の約15%にあたる約5万6千平方キロ。一般にも「自然を守っている場所」というイメージが定着している。だが、今後大幅に増やすのは難しい。

 この20年で増えたのは2400平方キロ。4%増にとどまる。陸より圧倒的に広い海にしても、海洋保護区の設定には水産庁など他省庁との調整が必要で、どこまで広げられるかは見通せない。土屋俊幸・東京農工大名誉教授(林政学)は「自然公園はもっと面積を増やすべきだが、別の方法も考える必要がある」と指摘する。

 いま注目されているのは、厳…

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