ネットオークションで掘ったカラー写真 米国に眠る戦後日本の「色」

田中ゑれ奈
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カラー写真研究家・衣川太一さん

 戦後占領期の日本を撮ったカラー写真が、なぜか米国のネットオークションに出回っている。衝撃から始まった収集は深みにはまり、研究者も驚く貴重なコレクションは1万枚を超えた。

今夏、緊急事態宣言下で途中閉幕してしまった、とあるユニークな写真展。企画メンバーの一人、カラー写真研究家の衣川太一さん(51)に話を聞きました。

 日本でカラー写真が普及した1970年代に先駆けること20年以上。ものによっては現代の撮影かと見まごうほど鮮やかなカラースライドは、進駐軍やその家族を始めとするアメリカ人が私的に撮影し、本国に持ち帰ったものだった。遺品整理で放出されたのか、100~200枚単位で安価に売買されるスナップ写真。そこには、かしこまった記念写真でも軍や新聞社による記録写真でもない、普段着の街や人の姿が写っていた。

 被写体の形から色を推測するAIの自動色づけとは違う「現実に根ざしたリアリティー」に価値を見いだす。新聞の連載コラムをきっかけに「写っているのは自分では」という人から連絡が来たことも。「地元のお年寄りに古い写真を見てもらい、当時どういう風に過ごしていたかもっと聴きたい」と願う。

 今夏に京都文化博物館で開いた展覧会「戦後京都の『色』はアメリカにあった!」は評判を呼ぶも、コロナ禍で惜しまれつつ途中閉幕。ギャラリートークや企画メンバーの座談会を、YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCQ7k4mtQeBsW-AJq-oVSiKA別ウインドウで開きます)で配信している。(田中ゑれ奈)

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 きぬがわ・たいち 1970年、大阪府生まれ。神戸映画資料館研究員。2009年ごろ、ネットオークションで戦後日本のカラー写真を見つけたのをきっかけに、収集・研究を始める。