活用進むカクテル療法 投与95.2%の改善報告、副反応のリスクも

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 新型コロナウイルスの新たな治療法「抗体カクテル療法」の治療が沖縄県内で進んでいる。発症して7日以内でワクチンを2回接種していない患者など、対象者は限られるが、医療機関などで重症化リスクを軽減する治療として活用され、重症病床の確保にも役立った。専門家は抗体カクテル療法について一定の効果があるとしている。一方、県内の2回目ワクチン接種率が5割に満たない現状を踏まえ「ワクチンと比べると抗体カクテルの副反応は重篤になるリスクもある。予防のためにワクチンを打ってほしい」と積極的な接種を呼び掛けている。

 抗体カクテル療法は2種類の抗体を混ぜた点滴薬を投与する治療法。政府が7月に承認し、県内では8月から重点医療医療機関やクラスター(感染者集団)発生施設で活用が始まった。現在は計31カ所で治療が受けられる。

 これまで重症化リスクのある376人(9月10日時点)に治療薬を投与。県は効果があった全ての実数を把握していないが、沖縄市の入院待機ステーションでは投与した68人(10月5日時点)のうち、重症化した人は確認されていないという。県立中部病院でも8月から外来の患者ら数人に抗体カクテルの治療を行い、全員重症化を防ぐことができた。

 東京都は医療機関から報告があった1048人のうち、投与して2週間以上経過した420人を分析。95・2%(400人)で症状が改善したとしている。

 投与の対象は高齢や肥満、基礎疾患があるなど重症化リスクが高く、発症して7日以内で、酸素投与が必要ない患者。県は新型コロナワクチン2回接種後、2週間以上たった場合は対象者に含めていないが、医師の判断によって、接種済みでも高齢である場合などに投与したケースがある。

 医療逼迫(ひっぱく)が深刻だった中部病院でも、複数の重症化リスクを抱え、集中治療室(ICU)への入院や人工心肺装置ECMO(エクモ)の治療が必要になる可能性が高い感染者に、優先的に投与した。同病院感染症内科の椎木創一医師は「重症化の危険性が高い患者にはかなり効果がある。重症者用病床に空床を作ることができる」と話す。

 一方、治療薬の投与には感染対策が徹底され、患者の隔離が必要なため、療養のための病床を確保しなければならない課題もある。椎木医師は第6波に備えて投与をする病床を作る必要があるとし、「民間や県がカクテル療法ができる施設を設置し、対象患者を集約して治療する方が効率がいい」と指摘。

 医療機関に入院する患者の多くがワクチン未接種者だとし、「ワクチンと比べて副反応が重篤になるなどリスクもある。この薬があるから大丈夫と思わず、予防のためにワクチンを打ってほしい」と訴えた。(沖縄タイムス)

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