買収防衛策、発動か否か 「株主平等の原則」めぐる司法判断に注目

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鈴木康朗
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 輪転機最大手の東京機械製作所の買収をめぐり、司法の判断が注目されている。経営側は買収防衛策を実施すべく、今月22日に臨時の株主総会を開く。株を買い集める投資会社は、防衛策の発動の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。近く示される判断によっては、今後の企業買収のあり方に大きな影響が予想される。

 投資会社のアジア開発キャピタル(東証2部上場)は、完全子会社「アジアインベストメントファンド」を通じて東京機械製作所の株式を買い集めている。経営側は、「買い付けの事前連絡はなく、経営支配権を取得した場合の経営方針も示されておらず、企業価値や株主共同の利益に反する」として、8月6日に取締役会で買収防衛策を導入した。

 アジア社側を除いた既存の株主にだけ新株予約権を与え、アジア社の議決権比率を引き下げるものだ。買収する側にとって毒薬になり得るため「ポイズンピル」とも呼ばれる。

 経営側は臨時株主総会で承認を得たら、すぐに発動する方針だ。

 アジア社側は議決権の約4割を握っているため、防衛策は臨時総会で否決される可能性がある。経営側は、「特別の利害関係を有する者を除外するのが合理的だ」などとして、アジア社側の議決権を認めないとしている。

 会社法では1株あたりの権利は等しいとする「株主平等の原則」がある。アジア社側は、「経営陣や特定の株主の経営支配権を維持するものだ」と主張。防衛策の差し止めを求める仮処分を9月17日に、東京地裁に申し立てた。

 経営陣が反対していても企業を敵対的に買収することができるのかどうかが、問われる。司法の判断が、買収の可否を大きく左右することになる。

ポイントは買収で企業価値を損なうかどうか

 上場企業であれば、株を買い集めて経営権を握ることは原則、自由だ。株主の地位を乱用して会社の価値を損なう恐れがある場合などは、特定の株主の権利を制限し、防衛策をとることも認められている。

 防衛策は会社法で明確な定め…

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