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ワクチン・検査パッケージ、「陰性」信頼できる?制限緩和へ実証実験

有料会員記事新型コロナウイルス

木村健一潮智史 森岡航平、西村圭史 下司佳代子
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 新型コロナウイルスのワクチン接種証明や検査による陰性証明を使った「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験が始まった。スポーツ観戦などのイベントに加え、今後は飲食店でも同様の実験が予定されている。再び緊急事態宣言が出た場合でも、制限の緩和を続ける狙いがある。

人の流れや行動を分析

 Jリーグのルヴァン杯が行われた6日の豊田スタジアム。実験用のチケットは1800人を対象に1枚500円で販売し、730枚売れた。観戦者は専用の窓口7カ所でワクチン接種証明書や運転免許証などを提示。2回目のワクチン接種から2週間たっていないなど条件を満たさない人が数人いたが、目立った混乱なく入場した。岐阜県中津川市の会社員、大沢洋光さん(32)は母親の初美さん(69)と訪れた。「周りがワクチン接種を済ませていれば、安心して観戦できる。チケットは駐車場代よりも安くていい」

 「ワクチン・検査パッケージ」は感染状況による観客制限を受けないものとして、欧米では導入が進んでいる。プロ野球やJリーグなどの大型イベントでも観客を増やす切り札として注目を集める。

 この日は運営側の受け入れ態勢も検証対象だった。七つの窓口の隣には、人の流れや行動を分析する専用の機器、スタンドには5台のカメラが置かれた。担当者は「窓口の混雑状況やワクチンを接種した人とそうでない人のマスクの着用率や行動の違いを確認したい」と話した。

 Jリーグでは10月中に横浜マ、浦和、川崎などの公式戦で実証実験を重ね、30日のルヴァン杯決勝(埼玉スタジアム)で通常観客(最大1万人)に加え、1万人のパッケージ観客を入れる。サッカーのW杯最終予選や北九州市である体操と新体操の世界選手権でも試され、プロ野球も日本シリーズなど今季終盤に向け準備を進める。

 プロ野球とJリーグでは昨年から、会場でマスク着用率や二酸化炭素(CO2)濃度を測定するなどの実証実験を重ねてきた。今回のパッケージ導入では、声援が大きくなったり、マスク着用が減ったりなど観戦者に変化があるかをチェック。メールで事後アンケートも実施し、観戦7日以内で体調に問題がないかなどを確認する。不安感の緩和や、次回も利用するかといった満足度なども尋ねる。

 この日、会場を視察した村井満チェアマンは「(1人当たり)20~40秒と、思ったよりスピーディーに確認できている。トライアル(試行)は比較的うまくいけている。スタジアムの安心をアピールし、ワクチン接種の啓蒙(けいもう)につながればいい」。プロ野球とJリーグが設置した対策連絡会議のメンバーである三鴨広繁・愛知医科大教授は「制限のない通常の運営がウィズコロナ時代のあるべき姿。この試みが社会を動かす原動力になるといい」と話している。木村健一潮智史

飲食店での実験、手間取る調整

 政府は大型イベントだけでなく、飲食店やライブハウス、小劇場を対象に実証実験を進める方針だ。これらの結果を受けて、次の第6波の感染拡大が起きた際、緊急事態宣言下でも一定の条件で酒類の提供を認めるなど、制限緩和を進めることをめざしている。

 一方、飲食店については利用…

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