桜夕食会の領収書「元秘書が複数年にわたり処分」、検察審査会が指摘

金子和史
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 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日にホテルで開いた夕食会をめぐり、東京第五検察審査会は、ホテルが発行した領収書を保存しなかったなどとする政治資金規正法違反容疑で元秘書ら2人を不起訴とした東京地検特捜部の処分について、「不起訴不当」と議決した。これを受け、地検は再捜査する。同法違反容疑で同じく不起訴だった安倍氏は「不起訴相当」とした。議決は9月15日付で、6日に公表した。

 議決書は、安倍氏が代表を務める資金管理団体「晋和会」の会計責任者だった元秘書が「領収書を処分した」と指摘。ホテルから領収書を受け取りながら、廃棄していた実態が新たにわかった。

 夕食会をめぐっては、特捜部はホテルとの契約状況から「安倍晋三後援会」が開催したと判断。一方でホテルが発行した領収書の宛名は「晋和会」となっていた。

 特捜部は3月、①後援会の代表だった元公設第1秘書が領収書を保存する義務に反した②晋和会の会計責任者だった元秘書が領収書を後援会に送付する義務に反した――などとする同法違反容疑の告発について、いずれも不起訴処分とした。

 これに対し議決書は、この領収書について「元秘書が複数年にわたって処分していた」と指摘。元公設第1秘書が夕食会の費用を収支報告書に記載しなかったなどの事情をふまえ、「元公設第1秘書は、元秘書らが領収書を適切に保存していない可能性を認識していたと考えられ、(元秘書との間に)共謀があったと疑われる」と説明。領収書が処分された経緯や共謀関係の「捜査が不十分だ」と結論付けた。

 議決を受けた再捜査で、仮に地検が再び不起訴とした場合、検審の1度目の議決が「起訴相当」ではないため、強制起訴の可能性がある2度目の審査は行われない。

 領収書をめぐっては、野党が安倍事務所に対し領収書や明細書の提出を求めたが、事務所は再発行が難しいなどと応じていない。

 議決を受け、安倍氏は「当局の対応を静かに見守りたい」とのコメントを出した。(金子和史)