仕事は減ったが遺体も減った 不況変わらぬ、タリバン暫定政権1カ月

有料会員記事アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが暫定政権の樹立を宣言してから、7日で1カ月となる。タリバンの支配を恐れて人材が国外に流出し、行政機能や経済が停滞する一方、女性の就労や通学への制限が続いている。タリバンの暫定政権を政府として承認する動きは、国際社会にまだない。

1日100件起きていた攻撃

 タリバンは過去20年にわたって、米軍との戦闘や市民の犠牲を伴うテロを続けてきたが、8月に米軍が撤退したことで戦闘やテロを止めた。

 首都カブール最大の墓地で働く墓掘り職人ジャウェドさん(39)は、朝日新聞の取材に「月に60~70体分の穴を掘ってきたが(タリバンが権力を握った)8月15日以降は7分の1に減った」と語る。1体約7500アフガニ(約1万円)だった埋葬の手間賃は半額になったという。

 米政府の監査機関によると、アフガニスタンでは米軍が撤退作業を本格化させた5月まで、1日100件前後の攻撃が起きていた。テロの多い都市では、葬儀業界が活況だった。

 ひつぎを作る木工職人ラール・ムハンマドさん(77)は「仕事は減ったが、運び込まれる遺体が減ってほっとしている。これからは他の木工品を作って食べていく」と話した。

 テロの脅威が消えたわけではない。タリバンと対立する過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織が、首都や東部ナンガルハル州で小規模な爆破事件を起こしている。首都中心部では3日午後、タリバン幹部の母親の葬儀を狙ったとみられる爆発があった。タリバンはISメンバーとされる容疑者らを見せしめ的に処刑し、遺体の画像をメディアに流している。

 治安の引き締めを図るタリバ…

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