10年前の3月に起きた東日本大震災は、春とは名ばかりで、寒さが東北地方を覆う中での災害だった。場所によっては、避難のさなかに雪が舞っていたのを記憶する人もいる。被災地はその日どんな気象条件だったのかを、東京の中学校の先生が調べている。
練馬区立石神井西中で社会科を教える千葉晃さん(50)は、仙台市出身。いまも仙台に住む両親が、震災後の数日を車の中で過ごし、凍える思いをしたと聞いたのがきっかけだった。発災当時の気温分布と降雪の研究を進め、今年2月、論文にまとめた。
主に岩手、宮城両県の沿岸部の10分ごとのアメダスデータを調べると、2011年3月11日の地震直前の午後2時40分から、津波襲来直後の午後4時までの気温は0~5度台。岩手県南部~宮城県中・北部は概ね4度以下と低く、特に塩釜はずっと0度台、石巻も0~1度台だった。
さらに、多くの人が避難所で過ごした12日朝は軒並み零下に冷え込み、岩手県普代は零下5・6度まで下がった。
では津波が押し寄せた時間帯、雪はどの範囲で降っていたのだろう。
小雪程度だったため、アメダ…