左利きばかりに誰がした? 福岡伸一が見守る第三の触媒とはやぶさ2

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 今年のノーベル化学賞は、薬の製造に使われる「不斉有機触媒」を開発した独マックスプランク研究所のベンヤミン・リストさんと、米プリンストン大のデービッド・マクミランさんの2人に贈られることが決まった。2001年に受賞した野依良治さんの研究を発展させ、インフルエンザ治療薬のタミフルなどの製造に使われている。この技術について、分子生物学者青山学院大学教授の福岡伸一さんに解説してもらった。

 ノーベル化学賞は昨年はゲノム編集という生物寄りのテーマ、一昨年はリチウムイオン電池という技術寄りのテーマでした。その前はファージディスプレー、電子顕微鏡といった学際的な分野の研究にも受賞対象の射程を広げていました。今回は化学の本流、触媒による有機合成に新しい扉を開いた2人に与えられました。触媒の開発では、2010年の根岸英一さん、鈴木章さん以来、11年ぶりの受賞になります。

 生命現象には、さまざまな有機化合物が関わっています。例えば、たんぱく質はアミノ酸からできており、炭水化物は糖から、DNAやRNAもヌクレオチドからできています。

 これらの化合物は炭素を基本…

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