ペルーで内閣総辞職 政権発足2カ月半、首相の過激発言で野党と対立

サンサルバドル=岡田玄
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 南米ペルーの急進左派カスティジョ大統領は6日、ベジド首相が辞職したと発表した。政権発足から2カ月半で内閣が総辞職した。辞任した首相はとりわけ急進的で、過激な発言で野党と対立し、政権は国会運営に行き詰まっていた。カスティジョ氏は新首相に左派の女性弁護士を任命した。

 「イデオロギーや政党の立場より、ペルーを優先しなければならない。このため、ベジド首相の辞任を受け入れたことを国民に報告する」。カスティジョ大統領は6日、トレードマークの白い帽子をかぶって、国営放送で発表した。

 大統領制のペルーでは、首相は内閣の要で政権のスポークスマンでもある。だが、ベジド氏は野党を挑発したり、極左ゲリラをかばったりするような発言を繰り返した。最近は、ガス田の開発企業を国有化するかのような発言をして鉱山相が弁明するなど、政権は対応に追われていた。国会で多数を占める野党は、ベジド氏を強く批判。少数与党のカスティジョ政権は国会運営に行き詰まっていた。

 ベジド氏は、与党の急進左派「自由ペルー」でも最も急進的な一人だ。創設者のウラジミル・セロン氏に近く、警察の報告では、2人は1980年代を中心にテロ事件を繰り返した極左ゲリラ「センデロ・ルミノソ」と関係があったとされる。テロ準備罪で捜査もされている。

 教員で労働組合活動家だったカスティジョ氏は、大統領候補を探していた「自由ペルー」に担がれる形で大統領選に立候補した。閣僚に、党内の急進的な人物が相次いで任命されたことから、セロン氏の影響力の大きさが指摘されてきた。だが、元ゲリラ出身の外相が軍を侮辱して就任から19日で辞任。また、ベジド氏ら一部の閣僚が過去のテロ事件を容認するような姿勢を示し、批判された。

 カスティジョ氏は、6日の国民向け演説で「幅広い団結」を改めて求めた。同日夜には新内閣を発表。新首相には、左派の弁護士で2020年から一時、暫定国会議長を務めたミルタ・バスケス議員を任命した。(サンサルバドル=岡田玄)