子どもがしびれる、あの駄菓子屋の世界 「毒」にひかれる銭天堂

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中井なつみ
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 ちょっと不思議な駄菓子屋を舞台にした小説が、小学生を中心に人気を集めている。独特な雰囲気と、「ハッピーエンドで終わらない」ストーリー展開がポイントになっているという。出版社にも、「全く本を読まない子が、この本をきっかけに本を読むようになった」などの声が多く寄せられるという、人気の秘密を探った。(中井なつみ)

「幸運な」客のはずが…

 丸善丸の内本店(東京)の児童書コーナーの一角には、白い髪を結い上げた、和服姿の女性が大きく描かれた表紙の本がずらりと並ぶ。「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(偕成社 廣嶋玲子作・jyajya(ジャジャ)絵)の主人公「紅子(べにこ)」だ。2013年の発行以来、累計発行部数が350万部を超える人気シリーズとなっている。

 本の舞台は、ちょっと古びた雰囲気の駄菓子屋。店を訪れた「幸運な」客に、店主の紅子がおすすめの駄菓子を紹介していく。駄菓子には不思議な力があり、悩みを抱えた客の願いをかなえていく……、というストーリーが展開される。

 ただ、不思議な駄菓子を手にできた客も、すべてがハッピーエンドとはならず、ちょっとシュールな毒もあるのが作品の特徴。商品の注意書きを守らずに食べてしまったら最後、客はひどい目にあう仕掛けになっている。

 願いがかなう夢のような駄菓子を手にした登場人物に、「いいなぁ」という気持ちが芽生える一方で、「これからどうなるのか」というスリルも味わえる。そのバランスにハマったという声が多く、親子で愛読している人も少なくないという。

「どんでん返し」に込めた思い

 児童小説でありながら、「毒…

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