「中絶禁止」の米テキサス州法、連邦地裁が差し止め 法廷闘争続く

ニューヨーク=藤原学思
[PR]

 大半の中絶を禁じる米テキサス州の州法について、同州の連邦地裁は6日、一時的に差し止めを命じる決定を出した。バイデン政権の請求を認めた。中絶をめぐる法廷闘争は今後も続き、来年の中間選挙にも影響を及ぼす可能性がある。

 州法は胎児の心拍確認後の中絶を禁じ、9月1日に施行された。多くの女性が妊娠に気づかない「妊娠6週目」が基準になるため、州内で年間5万件以上行われる中絶が極めて難しい状況になった。

 連邦地裁は「州法が施行された瞬間から、女性は憲法で保護された方法で自らの人生をコントロールすることを違法に妨げられた」と指摘。「裁判所はこのような重要な権利を攻撃的に奪うことを1日たりとも認めない」と断じた。

 米国では1973年の連邦最高裁判決をもとに「妊娠24週目」が中絶の線引きとして確立していた。バイデン氏はテキサス州の州法について「憲法上の権利をあからさまに侵害する」と批判。司法省が先月、州を相手取って連邦地裁に訴えを起こしていた。

 州側はすでに、連邦控訴裁に今回の決定に対する不服を申し立てる意向を明らかにしている。今回の判断を下した連邦地裁判事はバイデン氏と同じ民主党のオバマ元大統領に任命されたが、次の舞台は「全米で最も保守的な裁判所」(米メディア)となり、判断が覆ることもありうる。

 最終的には、トランプ前政権下で保守派の判事が多数派になった連邦最高裁が決めることになる可能性が高い。連邦最高裁は先月、5対4で州法の施行については認めつつ、合憲性の判断は避けた。(ニューヨーク=藤原学思