「疑惑ばかり」日大、理事長側近に捜査のメス これだけで終わるのか

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 約7万人の学生を抱える日本一のマンモス大学・日大で、理事長側近の現職理事が7日、東京地検特捜部に逮捕された。共に逮捕されたのは西日本で屈指の医療法人グループの最高幹部。長らく理事長の「一強体制」が続く日大に特捜部はどう切り込み、捜査はどこまで進展するのか――。

 「理事長付 相談役」。「(株)日本大学事業部」の名刺にこう印刷していた井ノ口忠男容疑者(64)=日大理事=は、田中英寿・日大理事長(74)の側近としてのし上がってきた。

 学生時代は日大アメリカンフットボール部の主将で、大学日本一も経験。田中理事長体制がスタートした2年後の2010年に設立された日大事業部で、事業企画部長として中核を担った。

 日大が100%出資する事業部は、国内最大規模の総合大学の物品調達などを集約し、スケールメリットをいかして経費削減を図る目的で作られた。保険代理事業から始まった業務は自動販売機や建物の管理などに次々と拡大。15年に約17億円だった売上高は20年には推定で約63億円に膨らんだ。

 同時に、事業部の不透明さも指摘されるようになった。「事業部を通すと逆に高くなった」(大学OB)、「井ノ口氏が全て取り仕切っており、内部統制がまったく利いていない」(現職職員)。納入業者からのキックバックなどもうわさされた。

西日本屈指の医療法人グループの前理事長も逮捕

 そんな事業部は付属病院にも手を伸ばした。専門知識がない井ノ口容疑者を振り付けたのが、今回一緒に逮捕された、医療法人「錦秀会」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳容疑者(61)だったとされる。

 錦秀会は七つの病院などを運営する医療グループで、籔本容疑者は政界にも顔が広い。朝日新聞の首相動静欄には、安倍晋三元首相とのゴルフや会食で計10回登場する。田中氏とはアマチュア相撲を統括する日本相撲連盟の副会長を共に務める間柄で、日大相撲部出身の大相撲力士の後援会長にも就いた。同じく大阪を拠点にする井ノ口容疑者とはゴルフ仲間で、2人をよく知る会社経営者は「井ノ口と籔本はニコイチ」とみていたという。

 複数の日大関係者は、日大の病院がいろんな分野で「籔本カラー」に染まっていったと証言する。

 「知り合いのところにやらせたい」。井ノ口容疑者は16年、病院で使う医薬品の調達などについて責任者に持ちかけた。「知り合いのところ」とは、錦秀会と近い医薬品卸大手だった。井ノ口容疑者はかたくなに拒む責任者を配置転換させてこれを実現したという。

 大学幹部は「商社が『錦秀会…

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