オフィスのリニューアル請負人 仕上がり、まるでリビング

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古賀大己
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 イノベーションを促すオフィスを作り続けている。三井デザインテックの岡村英司さん(42)が刷新を担った顧客のオフィスは、これまでにおよそ5万坪。働き手を大切にしたという職場は、まるでリビングのようだ。

おかむら・えいじ 1979年、香川県生まれ。2001年に三井不動産に入り、オフィス営業などを担当。16年に三井デザインテックに出向し、現在はワークスタイル戦略グループ長。

 カフェの周囲に、机を不規則に並べた。出入り口の数は絞り、動線をコントロール。一見、使いづらそうだが、社員同士が立場や部署を超えてふれ合いやすい。

 まるで家のリビングのようなオフィスは、顧客企業である金融機関からの依頼でデザインした。合併で大きくなった金融機関から、旧組織の出身者の間にある心理的な距離を縮めたい、との要望があった。

 オフィスのデザインを受注したら、顧客企業の経営者に必ず聞く。「どんな会社にしたいのか」「何を実現したいのか」

 答えはさまざまだ。アイデアを生み出す会社にしたい。地域住民に親しまれたい。経営方針を社員に浸透させたい――。

 経営者だけでなく、社員も交えたワークショップを重ねる。課題やアイデアを付箋(ふせん)に記し、ホワイトボードにはっていく。オフィスをデザインする出発点だ。

 刷新したオフィスはこれまでに26社の計5万坪。それぞれの顧客ニーズを踏まえるから、デザインはすべて違う。

クライアントの管理職に研修も

 オフィスのデザインはコンサ…

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