第1回「核のごみ」議会はなぜ調査を追認したのか 密室の議論で何が

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伊沢健司
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 「私の政治的判断で文献調査の応募の決意をさせていただいたところであります。では失礼します」

 1年前の10月8日午後1時過ぎ、北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長(72)は数分のあいさつの後、そう言い残し、町議会の議場を出た。町議9人による非公開の全員協議会が始まってまもなくのことだった。町議だけで話してほしいという片岡町長の意向を受け、小西正尚議長が退席を促した。

 その2時間後。片岡町長は記者会見で、「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査への応募を表明した。8月の応募検討表明から約2カ月での判断だった。同席した小西議長も「町長の政治的判断を尊重したい」と、町議会として容認する考えを示した。

 町議会はこの日の全協で、どんな議論の末に「応募容認」の結論を導いたのか。町議会は今も議事録の開示を認めていない。

 朝日新聞は関係者への取材で、70分に及んだこの日の「密室」のやりとりの記録を入手した。

【連載】「核のごみを問う」(全3回)のページはこちら

国内の原発が動き始めてから半世紀以上経つなか、人口約2900人の漁業のまちで、初めて動き出した最終処分場の選定プロセス。トップが下した「政治的判断」に、町民の賛否は割れている。今月21日告示、26日投開票の町長選を前に、この1年の「核のごみ」をめぐる議論を3回にわたり追う。

 記録によると、9人の町議が一人ずつ発言した。

 調査に反対したのは4人。

 「議員の意見を集約して決を…

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