参院2補選が告示 首相は「選挙の顔」になるか、野党は共闘ならず

2021衆院選

岡村夏樹、鬼原民幸、玉木祥子
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 岸田政権にとって初の国政選挙となる参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙が7日、告示された。投開票は24日で、19日公示、31日投開票の衆院選の前哨戦となる。

 いずれも自民党の議席だった選挙区で、静岡には自民公認の新顔のほか、立憲民主、国民民主推薦の無所属新顔、共産新顔の3人が立候補。山口には自民比例前職と共産新顔、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(NHK党)の新顔の3人が立った。

 岸田文雄首相は7日、JR静岡駅前でマイクを握った。

 「大変重要な選挙だ。この後には衆院選も控えている。皆さんにお力をいただき、未来を切り開かせていただく」

 補選投開票の1週間後には衆院選の投開票が控えるため、与党側は両選挙区での勝利を弾みにしたい考えだ。その焦点となるのが静岡での勝敗とみており、首相も初日に応援に駆けつけた。

 安倍晋三元首相らの地盤である山口選挙区は、自民にとって「勝って当然」(党幹部)といわれるほど自民支持層が分厚い地域。一方の静岡は、今年6月の知事選で自民推薦候補が敗れており、自民参院幹部は「静岡は野党系も一定の勢力がある。油断できない」と引き締める。

 自民候補を推薦する公明党も力を入れる。山口那津男代表は7日の党幹部会で「衆院選の前哨戦として注目される。自公で力を合わせて、全力を挙げて、次の総選挙への勢いをつけてまいりたい」と強調した。

 首相が「選挙の顔」となるのかどうかの試金石ともなるが、不安材料もある。

 政権発足直後の朝日新聞の世論調査では、岸田内閣の支持率は45%。現在の方法で調査を始めた2001年の小泉内閣以降では最低だ。閣僚経験者は「思っていたより低い。(衆院選の)投開票日までもつのか。そのうちボロが出てきてガクンといくんじゃないか」と心配する。

 菅義偉前首相は今年4月の三つの国政選挙で全敗を喫し、求心力の著しい低下を招いた。補選で自民候補が一つでも落とせば、首相の政権運営に影を落とすことは避けられない。

 一方の野党は衆院選でめざす共闘態勢が構築できなかった。立憲民主党枝野幸男代表は7日の記者会見で、静岡補選について「全力で戦いたい」としながらも、「目前に迫った政権選択選挙をどう戦うかに全力を挙げたい」と衆院選に注力する考えを示した。

 静岡で候補擁立を主導した国民民主党には「勝てば野党全体の追い風になる」(幹部)との声があり、初日に玉木雄一郎代表が応援に入った。しかし、枝野氏は「選挙の構造が(衆院選と)違う」。今のところ、補選の応援に入る予定もない。

 温度差があるのは、衆院選選挙協力する共産党が補選に独自候補を擁立しているためだ。両党の最大の支持団体である連合内には共産との連携に拒否感が根強く、立憲幹部は「衆院選前に深入りしない方がいい」と漏らす。(岡村夏樹、鬼原民幸、玉木祥子)

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