「東日本大震災を思い出した」 電車止まり、タクシー乗り場に列

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 7日深夜に首都圏を襲った最大震度5強の揺れ。駅で、コンビニで、街は不安な表情を浮かべる人たちであふれた。電車の運転見合わせも相次ぎ、帰宅できない人はため息をついた。気象庁によると、東京23区で5強を観測したのは東日本大震災以来。

 閉店作業中だった東京都中央区居酒屋では、横揺れが始まるのとほぼ同時に、店員らのスマートフォンから緊急地震速報の警報音が鳴り響いた。男性従業員が「ガスの栓を閉めて」と叫ぶ中、座り込んで泣き出す店員もいた。

 地下鉄・東銀座駅では地震発生直後、停車中の車両から乗客が不安そうな様子で次々にホームに降りていた。電車はそのまま発車せず、駅員は「先ほどの地震の影響で、全線で停車しています」とアナウンスしていた。改札口は帰宅できない人であふれた。都内の会社員男性(47)は「最近、各地で大きな地震が相次いでいる。とても不安だ」。

 銀座周辺では、電車に乗れない人たちがタクシー乗り場で列を作った。バー経営の女性(53)は「営業が終わり、店を片付けている時、縦揺れに襲われた。大きな揺れで怖かった」と話した。自転車で移動中のビルメンテナンス会社の従業員男性(66)は「ビルの中に人が閉じ込められていると連絡があり、今から向かうところだ」と話した。

 中央区のマンションでは、発生直後に自宅のドアを開け、スマホを握りしめながら不安そうに様子をうかがう住民が多くいた。住民の女性(60)が「東日本大震災を思い出した。棚の引き出しがずれた程度だったが、本当に怖かった」と話した。

 東京都目黒区では水道管が破裂した。50代男性は「ドーン」という鈍い破裂音を聞き、慌てて外に出た。水は坂を下って住宅街にも流れ込んだ。「まさかこんなことになるなんて」と話した。

 大田区のJR大森駅近くのコンビニ店アルバイトのベトナム人男性(23)は、「ペットボトルの水を並べている時に、突然、携帯電話の速報が鳴って驚いた。陳列しているお酒のビンがガタガタ揺れてだんだん揺れが大きくなった。商品が倒れなくてよかった」と話していた。

 同駅前では午後11時半すぎ、100人ほどの利用客が改札口前で足止めされていた。「今夜はネットカフェに泊まるしかないか」。川崎市のアルバイト男性(64)はため息をついた。区内の物流工場で仕事を終え、同僚10人と乗ったマイクロバスが信号で停止中に、携帯電話の地震速報が一斉に鳴った。直後に大きくバスが揺れたという。「東日本大震災を思い出して怖かった。バスでもあれだけ揺れるのか」

 8日午前5時半から、川崎市内でスーパーマーケットでの仕事が控えている。「早く帰って休みたいのにどうしようもない」。大型スクリーンの路線図では、運休を示す赤い表示が明滅していた。