ポーランド憲法裁「自国法、EU法より優先の場合ある」 EUは反発

ベルリン=野島淳
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 ポーランドの憲法裁判所は7日、同国の法律が欧州連合(EU)法よりも優先する場合があるとの判断を示した。同国は司法が政府から独立していないとして、EU側から再三、改善を求められていた。これに対し、同国の司法側から政府を「援護射撃」した形だ。

 ポーランドは司法やメディアへの政府の介入、性的少数者の権利の侵害などが基本的な価値を侵しているとして、EUとの対立が絶えない。EUは今回も強い反発を示し、一段の関係悪化につながりそうだ。

 同国メディアなどによると、憲法裁は多数意見として、2004年のEU加盟後もEU司法裁判所に最高の法的権限が与えられたわけではなく、ポーランドの法的な主権はEUには移っていないと結論づけた。

 EU司法裁は3月、ポーランドの裁判官の任命が政府に左右されて独立が保たれておらず、EU法に違反するおそれがあるとの判断を示した。これを受け、同国のモラビエツキ首相が憲法裁に対して、審議を申し立てていた。

 EUの行政機関の欧州委員会は7日、ポーランド憲法裁の判断は「EU法の優位性とEU司法裁の権限に関して深刻な懸念を引き起こす」とする声明を発表。「EU法は国内法よりも優先され、EU司法裁による全ての判決は、全加盟国の当局を拘束する」とした。

 欧州委は今回の判断を分析したうえで「次のステップを決める」としており、ポーランドに厳しい対応を迫るとみられる。(ベルリン=野島淳