瀬戸内で挑む「かもめの宅配便」 ドローンで離島の生活に革命を

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土屋亮
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 瀬戸内海の上空30メートルに黒いドローンがふわりと浮きあがった。香川県三豊市の須田港を飛び立ち、4キロ先に浮かぶ粟島まで7分あまり。島に到着すると、搭載していた荷物を自動で切り離す。高松市のベンチャー企業「かもめや」によるドローンの定期配送便だ。

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島には個人商店1軒だけ

 かもめやは8月から、人口約170人の粟島を対象にドローン物流を始めた。ドローンの飛行実験は各地で実施されてきたが、国内の民間物流サービスでドローンを本格的に使うのは「おそらく初めて」と小野正人社長(43)。配送料は1回500円で、客は正午までに電話などで注文すれば、その日に商品を受け取れる。

 注文できるのは、提携する地元コンビニエンスストアが扱うカップ麺や菓子、ペットフードなど40種類で、1回につき重さ1キロまで。島には個人商店が1軒しかなく、島民の期待は大きい。カキ養殖業を営む朝倉竹子さん(44)は「この先、商品数が増えたら、すごく助かる」。

 三豊市出身の小野さんはNTTドコモの関連会社などをへて、フリーのネット技術者だった。起業のきっかけは2013年、地元の国際芸術祭のボランティアをした縁で瀬戸内の離島に移住したことだ。ふだんの買い物は船で半日がかり。不便さに閉口していたとき、注文をうけた商品をドローンで郊外の住宅に配達する動画を目にした。ネット通販大手のアマゾンがつくったプロモーションビデオだが、「これは使える」と直感した。

 無線操縦機メーカーを探し、片っ端から電話をかけ、製造を頼んだ。まだ空撮用のドローンでさえ認知されていないころ。門前払いが続いた。だが諦めきれずに頼み込んでいると、根負けしたのか、熱意を受けとめてくれるメーカーが1社だけあった。

「自分で組み立てなさい」

 そこの社長はユニークだった…

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