ターミナル駅、未明まで帰宅困難者 朝も通勤・通学大混乱

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 首都圏で7日夜、最大震度5強の揺れを観測する地震があった。4都県で計43人が重軽傷を負い、主要ターミナルでは帰宅困難者が多く出た。交通の混乱は、一夜明けた8日朝も続いた。

【動画】東京・埼玉で震度5強 舎人ライナー脱線 JR川口駅の混雑=撮影平野真大

 気象庁によると、地震が発生したのは7日午後10時41分ごろ。震源は千葉県北西部で、東京都足立区埼玉県川口市、同県宮代町で震度5強を観測した。東京23区内で震度5強を観測したのは、2011年3月11日の東日本大震災以来。最初の揺れの後、8日午前11時までに震度1以上の地震を2回観測しており、1週間程度は震度5強程度の地震に注意が必要だという。

 各自治体によると、8日午前までに千葉県で14人、東京都で12人、埼玉県で11人、神奈川県で6人の重軽傷者が確認された。

 国土交通省によると、東京都の日暮里・舎人(とねり)ライナーは舎人公園駅(足立区)で緊急地震速報を受けて非常停止した際、先頭車両から3両目までが脱輪した。当時約30人の乗客がおり、3人がけがをした。復旧の見通しは立っていない。

 JR東日本によると、東海道線や武蔵野線などは8日の始発から一部区間で運転を見合わせていたが、午前8時までに復旧した。

 水道管の破裂などによる漏水も首都圏で計26カ所発生した。後藤茂之厚生労働相が8日の閣議後会見で明らかにした。東京都23区で23カ所、埼玉県川口市で2カ所、千葉県市原市で1カ所だったという。断水はなかった。医療機関や社会福祉施設での被害報告は現時点ではないという。

早朝のJR駅では入場制限も

 JR品川駅のタクシー乗り場では、日付が変わった8日未明も最大100人ほどが列を作った。横浜市鶴見区の男性会社員(58)は「仕方ないですね」と苦笑い。新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が解除され、久々に飲食店で酒を飲んだ帰りだった。妻からは「ガスが止まってシャワーは浴びられないよ」とLINEが来たといい、「せめて明日が休みなら……」。

 横浜市磯子区の男性会社員(38)は午前2時ごろから列に並び、「ホテルに泊まろうとも考えたが、満室かなと。タクシーが遠くまで乗せてくれるか心配だけど、待つしかない」。

 乗り場では午前2時半ごろまでタクシーを待つ人がいた。

 JR東京駅では、帰宅が難しい乗客向けにJR東日本が新幹線の車両を開放し、約90人が利用した。仙台市からの帰りという大田区の30代の男性会社員は「宇都宮の手前で車内が突然暗くなり、ゆっくりと止まった。家に帰って休みたい」。各地の新幹線は大幅にダイヤが乱れ、東京駅への到着は午前3時半過ぎまで続いた。

 さいたま市の大宮駅でも多くの人が運転再開を待ち、改札内で座り込んだり駅員に状況を確認したりする様子がみられた。

 一部の駅では8日朝も入場規制が実施された。JR大井町駅ではホームへの入場が制限され、一時100人以上が待たされた。東急大井町線から乗り換えるはずだった会社員の藤原雄輔さん(42)は「在宅に切り替えると職場に連絡して引き返します」。埼玉県越谷市のJR南越谷駅でも、改札前の広場は通勤・通学客であふれかえった。

 地震直後に脱輪が起きた東京都交通局が運営する「日暮里・舎人(とねり)ライナー」は8日も朝から運休した。脱輪した列車は舎人公園駅(足立区)近くの高架上に止まっており、下の歩道から見上げると、車両が傾いているような様子が分かった。

 運休の影響で舎人駅近くのバス停には約40人の列が。会社員の秋田真里さん(25)は1時間半近く並んでいるといい、「私が来たときは10人くらいだったのにこんなに待つなんて」。来るバスはどれも満員状態で数人ずつしか乗れず、列がどんどん伸びていったという。

 一方、千葉県市原市大坪では、養老川に架かる水道橋の送水管で漏水が起き、地震発生直後から水が噴出した。断水は発生していないという。震度5強を観測した埼玉県川口市の住宅街では、民家のブロック塀が約2メートルにわたって倒壊した。住人の80代の夫婦にけがはなく、「ドーンという音がして、外を見たら倒れていた」と驚いていた。