岸田首相、企業の四半期開示「見直す」 株主優先の企業姿勢改まる?

有料会員記事岸田政権

西尾邦明、稲垣千駿
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 岸田文雄首相は8日の所信表明演説で、企業が3カ月ごとに経営成績などを公表する「四半期開示」の見直しを表明した。開示の間隔を長くして、短期的利益を追求しがちな企業の志向を変えるねらいがあるが、見直せば日本が情報開示に後ろ向きというメッセージを投資家に与えかねない。議論は一筋縄では進みそうにない。

 演説で岸田首相は「企業が長期的な視点に立って、株主だけではなく、従業員や取引先も恩恵を受けられる『三方良し』の経営を行うことが重要。非財務情報開示の充実、四半期開示の見直しなど、そのための環境整備を進める」と強調した。格差是正に向けて「分配」を重視する首相としては、柱となる政策だ。短期的には利益とならない研究開発への投資が増えることも期待しているとみられる。今後、金融庁の金融審議会で議論を進めていく。

 四半期開示は経営実績の透明性を高めるねらいから、1999年から東京証券取引所のルールで上場企業に順次義務づけられた。2006年のライブドア粉飾決算事件では、四半期業績の虚偽記載について法的責任を問えないことが指摘され、08年に金融商品取引法で義務化された。上場企業は今、取引所の求める四半期決算短信と、財務局に出す四半期報告書の二つの書類をつくっている。

 企業側からは負担の重さなどを指摘する声があがる。関西経済連合会は「経営者や投資家の短期的利益志向を助長しかねない」などとして廃止を長らく求めている。あるグローバル企業の幹部は「作成には多大な労力が必要。四半期開示の見直しで余力ができれば、気候変動対策などサステイナビリティー(持続可能性)開示の充実にあてられる」と指摘する。

 こうした指摘は海外にもあり…

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