「職業訓練充実より給付対象広げて」 雇用保険外れた失業者救うには

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聞き手・橋本拓樹
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 コロナ禍による失業者増を抑えようと、国は雇用保険の一事業である雇用調整助成金(雇調金)に特例を設け、雇用を維持する企業を支援してきました。だが、コロナ禍が長引くにつれ支出が膨らみ、続けられるか心配する声も出始めています。これから国は雇用政策の力点をどこに置くべきか。法政大学の酒井正教授(社会保障論)に聞きました。

非正規雇用の救済になったか、検証を

 ――「コロナ特例」による雇調金の支給決定額が、雇用保険に入れていない人も支援するための「緊急雇用安定助成金」も含めて4兆円を超える規模になっています。

 「政府の対応は大規模で、すごく速い、というのがおおかたの評価だと言ってよいと思います。2008年のリーマン・ショック後のときは、従来の雇用保険制度では非正規労働者がなかなか救済されにくいという指摘がありました。今回、雇用保険が適用されない人も対象とした緊急雇用安定助成金を設けたのは、注目に値します」

 「ただ、実際のところ十分に活用されたのかは、よくわからない。利用件数からは、これが本当に非正規労働者の救済になっているのだろうかと思えます。そこそこ活用されていたんだろうけども、本当に有効に使われているのかは、検証が必要です」

 ――一方で雇用保険の財源不足が問題化しています。酒井さんもメンバーを務める厚生労働省の審議会で、雇用保険制度の見直しも含めた議論が始まっていますね。

 「本来は実施した政策の検証と同時並行で見直しの議論もやったほうがいい。雇用保険制度をどうするかという議論には、雇調金の特例措置をどのタイミングで縮小するか、というテーマも含まれます。本当に雇調金を必要としている業種、企業、事業所規模はどこなのか。特例を縮小するとしても、それを探ったうえでメリハリをつけることが必要だと思います」

 「どこの誰が制度を利用し、非正規労働者の休業手当として実際に使われているのか。国はそうしたデータを把握しているはずなので、厚労省の審議会などで、それらのデータを元に議論すべきでしょう」

「第2のセーフティーネット」の充実を

 ――酒井さんは、雇用保険の対象から外れている失業者を支える「第2のセーフティーネット」の充実を訴えていますね。

 「雇用保険のように、保険料…

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