米上院、債務上限引き上げ法案を可決 経済対策法案にらみ今後も混乱

ワシントン=青山直篤、ニューヨーク=真海喬生
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 米連邦債務や経済対策法案を巡る与野党の駆け引きが続く米議会で、上院が7日、債務残高の上限を引き上げる法案を可決した。近く下院でも可決され、バイデン大統領が署名して成立する見通し。米政府が債務不履行(デフォルト)に陥り金融市場や経済が大混乱に陥る懸念があったが、これによりその事態はひとまず回避された。

 野党共和党の上院トップ、マコネル院内総務が6日、12月までの引き上げ案を受け入れる方針を示し、民主党のシューマー院内総務が応じた。ただし、あくまで暫定的な措置にとどまり、12月に米政府の資金繰りが行き詰まるとの懸念が再燃する可能性は残る。

 米議会では、超党派で上院が可決済みの総額1兆ドル(約112兆円)規模のインフラ投資法案に加え、子育て支援などの給付が柱となる社会福祉投資法案(3・5兆ドル規模)の二つの経済対策を巡り攻防が続く。とくに社会福祉投資法案は共和党の賛同が得られないうえ、民主党内の穏健派からも大幅な規模縮小の要求があり難航している。

 与野党の議席が50対50と伯仲する上院で社会福祉投資法案を通過させるには、「財政調整」という例外的手続きを踏んだ上で、民主党議員全員の賛成が必要。共和党からは債務上限問題でも協力が望めないため、今後、上限の「適用停止」のための規定を社会福祉投資法案に盛り込んで成立を目指す案も取りざたされているが、民主党内の分裂の収拾のめどが立っていないのが現状だ。

 議会の歩み寄りを好感し、米ニューヨーク株式市場は7日、主要企業でつくるダウ工業株平均が一時、前日より550ドル超値上がりした。前日より337・95ドル(0・98%)高い3万4754・94ドルと、3日続伸で取引を終えた。(ワシントン=青山直篤、ニューヨーク=真海喬生)