倒産件数、過去50年で最低 コロナ下なのに…バブル期も下回る

細見るい
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 東京商工リサーチが8日発表した4~9月の企業倒産(負債額1千万円以上)は2937件で、バブル期の1990年度上半期(3070件)を下回り、過去50年で最も少なかった。新型コロナウイルス関連の支援策によって倒産が抑えられている面もあり今後、反動で増える可能性がある。

 前年同期と比べると23・9%減で、全10産業での減少は6年ぶり。コロナの影響が大きい飲食や宿泊などの「サービス業他」でも前年同期比24・5%減の986件。1千件を下回るのは99年(979件)以来22年ぶりだ。コロナで売り上げが減ったとされる「小売業」も35・8%減の349件だった。

 自治体の時短要請に応じた際に支給される協力金や、実質無利子・無担保の融資(ゼロゼロ融資)によって窮状をしのいでいる事業者も少なくない。大手行幹部は「支援に一定の効果はあるが中長期的に見ると、(売り上げが立たずに返済原資が確保できない)『ゾンビ企業』を生きながらえさせている部分もあるのではないか」と指摘する。銀行内では、こうした企業がコロナ収束後、事業を本格的に再開しようとした際、新たに返済のあてがない借り入れを申し込んでくることが警戒されている。

 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は9月の記者会見で、「債務の過剰感を生み出している要因には売上高の減少も大きく影響している。企業の収益力の回復という根源的な課題に取り組むことが重要だ」と述べた。(細見るい)