異例のフルタイム勤務でドラ1候補に 「野心」で選んだプロへの道

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山口史朗
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 会社員としてフルタイムで働きながら、ドラフト1位候補に躍り出た右腕がいる。

 三菱自動車倉敷オーシャンズの広畑敦也(23)だ。最速154キロで2年連続の都市対抗大会出場(11月28日開幕)を決めた右腕に、まず仕事のことを聞いてみた。

 「総務渉外部という部署にいます。総務というくらいなので色んなことをする。所長と一緒に自治体に訪問したり、地域広報とかをしたり、そういう活動をしている部署ですね」

 三菱自動車水島製作所(岡山県倉敷市)に勤務。野球部が自治体などに訪問する際、「選手」としてではなく、「広報」として出向き、週報に載せるための写真を撮ったこともある。

ひろはた・あつや

1997年12月3日生まれ。岡山県出身。岡山・玉野光南高3年の夏は、岡山大会準決勝で敗退。敦也の名は、ヤクルトファンの父・佳臣さんが古田敦也さんからとった。身長177センチ、体重75キロ。好きなものはコーヒー。

 その生活はさながら、中学、高校の「部活動」のようだ。

 練習のため、フレックスで朝6時半~午後3時半で働き、工場のそばにあるグラウンドに飛び出していく。

 「授業が終わってチャイムがなったらすぐグラウンドに行く、みたいな。ほんと、一緒ですよね。朝眠い日もありますけど、仕事もやってみたい気持ちがずっとあった。昨年はコロナで在宅勤務も長く、朝からエクセルの勉強をしたり。楽しいことばかりでした」

 都市対抗に出るような強豪は、午前だけ勤務で午後から練習する企業や、冬のオフ期間だけ出社する企業が多い。そんな中でオーシャンズは工場によって勤務時間も違う上に、グラウンドはラグビーやサッカー部と共用。平日の練習は午後6時から1時間程度しかない。

 考えようによっては大きなハンデとなる環境。大学卒業後「2年でプロに行く」と誓った広畑は、なぜこの環境を選んだのか。

 岡山・玉野光南高、帝京大と…

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