自動車保険金を直前に増額、受け取り狙い委任状作成か 車下敷き殺害

板倉大地
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 福岡県うきは市の駐車場で会社員西村一敏さん(当時64)=大分県日田市=が車の下敷きにされ殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された、おいで保険代理店経営の松成英一郎容疑者(54)=住居不定=が、西村さんの自動車保険の受取人である親族たちをごまかし、受取人を変更するための委任状を集めていたことが捜査関係者らへの取材でわかった。

 また、松成容疑者が事件直前、自動車保険の金額を数千万円まで増額していたことも判明。県警は、松成容疑者が委任状を使って勝手に受取人を自身に変更し、多額の保険金を受け取ろうとしていたとみている。

 県警によると、松成容疑者は4月1日夜、叔父の西村さんを車で複数回ひき、事故に見せかけて殺害した疑いがある。その後、西村さんの生命保険金約1500万円を受け取っていた。弁護士によると、容疑を否認している。

 西村さんは生命保険のほか、2017年に自動車保険にも加入。捜査関係者らによると、西村さんの死亡から約1週間後、西村さんのきょうだいたちに、松成容疑者から委任状の書類が届いた。「自動車保険の手続きを自分がする」といった程度の説明で、「名前や住所は間違えるといけないから、はんこだけ押して送り返してほしい」と指示。きょうだいたちは委任状に押印だけして送り返していた。自動車保険金は支払われていないという。(板倉大地)

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