研究員殺害、懲役18年判決 裁判長「被告に同情まったくできない」

屋代良樹
[PR]

 熊本市で昨年9月、熊本大学の特定事業研究員の女性(当時35)を殺害したなどとして殺人と死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職熊谷和洋被告(68)の裁判員裁判が8日、熊本地裁であり、平島正道裁判長は懲役18年(求刑懲役20年)の判決を言い渡した。

 判決によると、熊谷被告は昨年9月6日、当時住んでいた熊本市中央区の集合住宅の出入り口付近で、女性の首をひものようなもので絞めて殺害し、両足を引っ張るなどして近くの堀に遺体を遺棄した。

 被告は女性が住んでいたマンションの元清掃員で、昨年4月から資産家のふりをして寄付や支援をにおわせ、女性に近づいた。しかし犯行当日にうそがばれ、女性から非難されたことから逆に腹を立て、「殺害して黙らせてやろう」などと考えて犯行に及んだ、と判決は認定した。

 平島裁判長は「原因はあくまでもうそをついてだまし続けた被告にある。被害者に落ち度はなく、被告に同情できる点はまったくない」と非難。被告側が公判で「(女性の)口をふさごうと思った」などと主張した点についても、「少なくとも3分以上にわたって(首を)絞め続けた。被害者を確実に殺害しようとしたもので、強い殺意に基づく悪質な犯行」として退けた。

 判決後、裁判員が記者会見に応じた。50代の男性は「動機や現場の状況がわかりづらい裁判だった」と振り返った。(屋代良樹)