木を溶かしてプラスチック原料に ダイセル・京大が共同研究

諏訪和仁
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 化学メーカーのダイセルと京都大学は8日、木などのバイオマスから化学原料をつくる共同研究を中心にした包括連携協定を結んだと発表した。将来は、プラスチックの原料になる成分を取り出し、現在原料として使われている原油の代わりに使うことをめざす。

 協定は2030年3月末まで。共同研究は京大の宇治キャンパス(京都府宇治市)の施設に両者の研究者が集まって進める。

 強みはコストや環境負荷を抑えながら「木を溶かす」技術。木をより細かく粉砕し、ギ酸などの薬品を使って、風呂程度の比較的低い温度で溶解させることができる。共同研究では、この溶解液をプラスチックの原料の成分などに変換したりする。

 日本は国土の7割が山林。国産の木材を使うことで、山林の手入れや新産業の育成につなげていくという。木材以外に農林水産業から出る廃棄物も原料にできるような研究も進める計画だ。

 この日、京大で会見した同大の湊長博総長は「京大のバイオマス研究は、脱化石燃料と地球環境の保全で注目されている。木材や農水産廃棄物を高付加価値物に変換して、新産業の創出に寄与したい」と話した。ダイセルの小河義美社長は「(自然に分解する)生分解性、循環型の原料が求められており、京大と一緒に持続可能なサプライチェーンをつくる」と決意を述べた。(諏訪和仁)