共同取材した比ラップラーの記者「全ジャーナリスト勇気づける受賞」

玉置太郎
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 ノーベル平和賞の受賞が決まったマリア・レッサさんがCEOを務めるフィリピンのネットメディア「ラップラー」と朝日新聞は今年、日本の外国人労働者政策について、共同取材に基づく記事を掲載した。

 共同取材を担当したラップラー社のソフィア・トマクルス記者は8日夜、電話取材に応じ、「(ドゥテルテ大統領による)現政権下でメディアへの攻撃が激しくなるなか、すべてのジャーナリストを勇気づける受賞だ」と話した。

 コロナ禍のため在宅勤務中に受賞の一報を聞き、「私も同僚も驚いて、大喜びした」という。

 上司にあたるレッサさんとは普段から仕事上のやり取りをしており、「いつかは彼女のようになりたいと思うジャーナリスト。どんな攻撃を受けても、勇気をもって報じることの大切さを学んだ」と話す。

 現政権の支持者らからは、ネット上での嫌がらせやヘイトメールもあるという。「マリアの受賞は、ジャーナリズムの役割の大切さが認められた証し。ラップラーだけでなく、すべてのジャーナリストを勇気づけた」と語った。

 ラップラー社と朝日新聞の共同取材は、移民問題の観点から、両社の記者が協力。介護職として日本へ働きに来た母親と、フィリピンに残してきた子どもを両国でそれぞれ取材した。家族帯同を認めない日本の外国人労働者政策によって、親子の分離が生まれている現状を、両社の紙面とウェブサイトに掲載した。(玉置太郎)