「元通りが復興ではない」元パチプロの4代目農家、絶望から見えた光

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清水大輔
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 水害でめちゃくちゃになった畑に立ち、長野のリンゴ農家は考えた。「元に戻すのではなく、新しいことに挑戦したい」。パチプロや水商売も経験して4代目を継いだ若手農家が、動いた。

 長野市赤沼の中村太士さん(39)。リンゴ畑が集中することから「アップルライン」と呼ばれる国道18号沿いで、「サンふじ」や「秋映(あきばえ)」などを栽培している。

 2年前、台風19号が接近した10月12日、中村さんは自宅隣の小屋で深夜まで果実の選別作業をした後、市の施設に避難した。翌朝、自宅に戻ると、1階はひざ丈ほどまで泥で埋まっていた。倉庫もフォークリフトも使えない。畑に行くと、果樹が根元から折れたり、45度に曲がったりしていた。一部は公的な補償で賄えたが、大損害だった。

 「最初は絶望した」という。でも、周りで泥を前にぼうぜんとする高齢農家たちを見ると、何とかしないと、と思った。友人やボランティア仲間と相談した。復旧作業の合間、そこら中に散乱したリンゴの枝を燃やして焼き芋を作った時、ふと思った。

 そういえば小さい頃、薪を使…

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