長崎くんち、参列わずか7人の異例の事態 宮司のセクハラ疑惑影響か

三沢敦
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 長崎の秋の風物詩「長崎くんち」の例大祭が8日、諏訪神社長崎市上西山町)で営まれた。神社の責任役員らが池田剛康宮司によるセクハラ行為を指摘し辞任を求め、否定する宮司側と対立している影響で、参列者が昨年の5分の1の7人にとどまる異例の事態となった。

 長崎くんちは、新型コロナウイルス感染の影響で奉納踊や神輿(みこし)行列が昨年に続き中止され、一部の神事のみ実施される。主要神事である例大祭は例年100人規模で営まれてきたが、昨年は感染防止対策のため参列者は約35人に絞られた。

 神社側は今年も同規模の出席を見込んでいたが、参列したのは県護国神社の宮司ら7人。池田宮司を除く責任役員6人は全て欠席し、13人いる常任総代も1人を除いて欠席した。奉納踊の出番が来年に繰り越しとなった6踊町の代表者にも案内状を送っていたが、いずれも姿を見せなかった。

 諏訪神社では、市内の20代女性が8月、神社内で宮司から握手やキスを求められたと神社側に相談。宮司に聴取した禰宜(ねぎ)2人は9月、責任役員2人との連名で「不適切な行為があった」として宮司に辞任を求めた。池田宮司は「真実ではない」「あらゆる機会を通じ、身の潔白を主張するとともに宮司職に励む」と行為を否定する文書を公表し、双方が対立している。

 関係者によると、宮司以外の責任役員と、常任総代の多くが「神社の権威にかかわる」として例大祭に参列しない意向を示していたといい、この対立が参列者の激減につながった可能性がある。

 この日、神事を終えた池田宮司は「コロナが一日も早く終息し、来年こそは盛大に催行できるよう願う。くんちの伝統を後世につなげるため、神社と氏子の関わりを一層深めたい」とあいさつ。自身の疑惑についての言及はなかった。

 式典後、報道陣の取材に応じた新名紀夫・権禰宜(ごんねぎ)は、参列者の激減について「理由は分からない。おのおのの方々の考えがあってご遠慮されたのだと思う」と述べた。(三沢敦)