「絶滅の実」救ったコーヒーハンター おいしい一杯、守り続けるには

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聞き手・笠原真
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 アフリカで絶滅危惧のコーヒーを発見するなど、世界中を飛び回ってきた「コーヒーハンター」と呼ばれる人がいます。川島良彰さん(65)はコーヒー生産国の農園で技術指導に携わり、コーヒーの輸入販売やカフェ事業を通じて、高品質なコーヒーを日本の消費者に届けてきました。おいしいコーヒーを今後も飲めるようにするため、私たちには何ができるのか。コーヒーの生産と消費、それぞれの現場を知る川島さんに聞きました。

かわしま・よしあき 1956年、静岡県のコーヒー卸業の家に生まれる。日本の大手コーヒー会社社員として生産国のコーヒー農園開発に従事。マダガスカルでは絶滅危惧種のコーヒー豆を発見し、地元民から「コーヒーハンター」と呼ばれるようになった。2008年、コーヒーの輸入販売やカフェ事業を行う会社「ミカフェート」を設立。共著に「コーヒーで読み解くSDGs」(ポプラ社)など。

 ――「コーヒーハンター」の異名を持つそうですね。

 マダガスカルに固有種の「マスカロコフェア」というコーヒーがあります。絶滅したと言われていたこのコーヒーを探そうと思い、1990年代に現地に行ったんです。マスカロコフェアにはカフェインがほとんど含まれていないと言われていましたが、一般的にカフェインレスコーヒーはあまりおいしくありません。そこでアラビカ種と交配させ、低カフェインのおいしいコーヒーができるのではという狙いを持ちました。妊娠している女性や心臓に負担をかけられない人にも、安心しておいしいコーヒーを飲んでもらえると思ったのです。

 しかし、マスカロコフェアについては現地のマダガスカル人に聞いても誰も知らなかったのです。文献は少しだけ残っており、20世紀中頃までマダガスカルを植民地としていたフランス人がマスカロコフェアの研究をしていたことはわかっていました。私はフランス人が研究していた場所さえわかれば、マスカロコフェアも見つけられるはずだと考えました。

 次第に現地住民から「昔あの辺にフランス人がいた」という情報が入るようになり、99年にジャングルの中でフランス人の試験区を見つけました。そこには野生化したコーヒーがかろうじて生き延びていたのです。その時、一緒にいたマダガスカル人通訳が私に向かって叫びました。「コーヒーハンターだ!」と。

 ――マスカロコフェアは飲んでみましたか。

 アラビカ種と交配したのです…

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