フィリピン大統領選、現政権批判で大混戦 ノーベル平和賞も影響か

ハノイ=宋光祐
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 来年5月のフィリピン大統領選は8日、立候補の申請が締め切られた。プロボクシング元王者のパッキャオ上院議員やロブレド副大統領ら現政権に批判的な候補者が名乗りを上げ、選挙戦は混戦の模様だ。ドゥテルテ大統領の長女サラ氏は立候補していないが、11月まで届け出済みの候補者と交代できるため、動向が注目されている。

 この日、ドゥテルテ政権に弾圧されてきたジャーナリストマリア・レッサ氏へのノーベル平和賞授賞が発表されたことが、選挙戦に影響を与える可能性もある。

 「汚職や無能、共感の欠如に終止符を打たねばならない」。ロブレド氏は7日、立候補の演説でドゥテルテ大統領を念頭にこう述べた。自らも政権の一員だが、ドゥテルテ氏が進める「麻薬戦争」に反対しており、出馬表明であらためて対決姿勢を鮮明にした。

 来年の大統領選では、ロブレド氏の他にもパッキャオ氏や首都マニラのモレノ市長が「反ドゥテルテ」を訴えて立候補している。

 一方、6日に届け出たフェルディナンド・マルコス元上院議員はドゥテルテ氏に近いとされる。1986年まで長期独裁政権を敷いた故マルコス元大統領の長男で、「コロナの危機を乗り越えるために国民を団結に導く」と訴える。

 民間調査会社が9月に実施した大統領選の世論調査では、マルコス氏が15%の支持率で2位、モレノ氏とパッキャオ氏はそれぞれ3、4位、ロブレド氏は8%で6位だった。1位はドゥテルテ氏の長女でダバオ市長のサラ氏で、出馬を否定しているにもかかわらず20%の支持を得ている。

 サラ氏本人はダバオ市長の再選を目指すと表明している。ただ、ドゥテルテ氏は2日、副大統領選への出馬を取りやめて政界を引退すると表明した際、大統領選にサラ氏が立候補すると発言した。

 政党の候補者は11月15日まで交代できることに加えて、前回の大統領選でドゥテルテ氏が引退宣言の後にこの方法で出馬しており、サラ氏が立候補するとの見方は根強い。(ハノイ=宋光祐)