日産、生産設備のCO2排出を4割削減へ 2030年に19年比で
神山純一
日産自動車は8日、生産設備が排出する二酸化炭素(CO2)を、2030年に19年比で4割減らす方針を発表した。今冬発売予定の電気自動車(EV)の「アリア」は、CO2の排出を減らした生産ラインにする。ほかでも設備の電動化や効率化を進め、脱炭素に取り組む。
設備に使う電力は風力発電や太陽光など再生可能エネルギーによるものを増やす。バイオ燃料を用いた燃料電池も導入する。栃木工場(栃木県上三川町)で22年度から実証実験を始め、世界の工場に広げていく。
この日公開した栃木工場のアリアの生産ラインは、車のボディーとバンパーを一度に塗装するなど、効率化している。EVやハイブリッド(HV)、ガソリンエンジンといった異なる車を、同じラインに交互に流すこともできる。ロボットがエンジンやモーターなどの部品を自動で組み込む。改修の総投資額は約330億円だ。脱炭素を見据えた「ニッサンインテリジェントファクトリー」の最初の事例になる。
日産はカルロス・ゴーン元会長時代に新型車の開発費を抑えてきた。販売が低迷したこともあって、新車を集中的に発売していく方針だ。力を入れるのがEVで、23年度までに日本や中国など世界で8車種を投入する。20年度の国内販売は大手メーカー8社中5位で、EVの販売増で巻き返しをねらう。(神山純一)