阪神との天王山を投げ終えたヤクルト奥川恭伸 20歳とは思えぬ感想

藤田絢子
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 プロ野球セ・リーグは8日、首位ヤクルトが2位阪神に勝ち、優勝に向けたマジックナンバー「11」を点灯させた。ヤクルトは残り16試合のうち、阪神戦4試合に全敗しても、11勝すれば勝率6割1分4厘(78勝49敗16分)となり、阪神が残り13試合に全勝した場合の勝率6割1分(83勝53敗7分)を上回る。ヤクルトは昨季まで2年連続最下位だった。

 外へ逃げる変化球で阪神・大山悠輔のバットに大きく空を切らせた。七回無死一塁、ヤクルトスワローズの奥川恭伸は前の打席で一発を浴びた4番打者に、仕事をさせなかった。

 優勝に向けた最大の山場。まだ20歳ながら、そのカード頭を任された。「みんながこの試合を大事だとわかって戦っている。すごく楽しかった」

 強心臓の右腕の直球は力強く、スライダー系の球のキレも抜群だった。制球良く、ストライク先行で七回途中1失点。チームトップタイの9勝目をつかんだ。

 高津臣吾監督は、3位巨人、2位阪神との直接対決となる5日からの1週間で勝負に出た。

 日米通算313セーブの投手出身監督は、今年、中6日の先発ローテーションをぎりぎりまで崩すことなく投手の疲労がたまらないように気を配ってきた。しかし今週、そのリミットを外す。

 巨人戦からエース小川、サイスニード、原と、いずれも中5日を解禁。この日は、大事に育てるために、ほとんど中10日で先発させてきた奥川を中9日でマウンドに送った。相手もエース級をぶつけてくるこの4試合の強力打線の1試合平均得点は2・75点だったが、投手陣は無失点試合を2試合。わずか3点しか失わなかった。

 昨季12球団最悪の防御率だったことを理由に、下馬評の低かったヤクルト。世の中の評価を覆す投手陣のがんばりでマジック11をともした。6年ぶりの優勝がいよいよ現実味を増してきた。(藤田絢子)

 高津監督(ヤ) 奥川に大事な一戦を託した狙いについて、「一つは成長させるため。もう一つはここで勝つ投球を期待して。見事だった」。

 西浦(ヤ) 二回、左翼ポール直撃のソロ本塁打。「朝、納豆を食べたので、粘りが出て打球が切れなかったのかな」

 田口(ヤ)七回2死満塁で救援し、三振に仕留める。「ヤス(奥川)が作りあげたものを壊したくなかった」